こんな方におすすめ
- 仕事でコミュニケーションは最低限あればいいでしょと思っている方
- 仕事でのコミュニケーションを円滑にする方法を知りたい方
よく仕事ではコミュニケーションが大切と言うけど…
やることをやってれば仕事でコミュニケーションをとる必要性ってないんじゃないの?仕事は仕事で割り切りたいし
そう思っている人も多いと思います。
たしかに、忙しいなかで無駄なコミュニケーションに時間を割くのはどうなんだろう?と疑問に思いますよね。
この記事では、下記をお伝えしていきます。
- どうして仕事でコミュニケーションが必要だと言われているのか?の理由
- コミュニケーションが行われないとどのような影響が出るかの解説
- すぐ効果のでるコミュニケーションを円滑にするためのコツ
大手人材会社で、100人以上の転職を見守ってきた私が具体例を交えてご紹介していきますので、ぜひ読んでみてください。
仕事でのコミュニケーションの必要性って?
仕事でコミュニケーションは必要不可欠なのでしょうか?
結論からいうと、やはり「職場での積極的なコミュニケーションは必要」です。
どうして仕事でコミュニケーションは大切といわれているのでしょうか。
でも、今の会社にきて、コミュニケーションの大切さ実感しました。
ここから具体的に解説していきます。
私たちは社会との関わりの中で生きているから
壮大な話になってしまいますが、私たちは社会の一部です。
現代においても、共同体のなかで生きている以上、他人と関わらずに生きていくことはできません。
また、「マズローの欲求5段階説」という理論があります。人間の基本的な欲求は、下記のように段階になっている、という考え方です。
①生理的欲求:食欲、睡眠など生命活動を維持する上で不可欠な欲求
②安全の欲求:安全・安心に暮らしたいという欲求
③社会的欲求:集団に所属したい、他者に受け入れられて愛されたいという欲求
④承認欲求:他者から尊敬されたい、認められたい、高く評価されたいという欲求
⑤自己実現の欲求:自己を実現しようとする欲求
①から順に段階的に欲求としてあらわれます。①が満たされると②へ、②が満たされると③へ、という具合です。
③④については他者との関わりが必要不可欠であり、ここが満たされていないと孤独や社会的不安を感じます。また、③④が満たされない限り⑤は出てきませんし、現代では多くの人が①②の欲求が満たされていますので、③④の社会との関わりのなかで生まれる欲求を満たしていく必要があります。
心理学者アドラーも「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と発言しており、人間が幸福を得るためには、他者との満たされた関わりが必要不可欠であることがわかります。
職場に信頼できる人がいると幸福度が上がるから
もちろん、それでもある程度は満たされることでしょう。
ただ、アメリカの世論調査機関であるギャラップ社が行った調査によると、職場に少なくとも3人の友人がいるだけで、人生の満足度が96%もアップし、給料への満足度も200%高まることがわかっています。
このデータを見ると、やはり人生の時間の多くをしめる仕事での人間関係の充実が、生きていくうえで大きな影響力があることが分かります。
生産性が上がるから
職場での人間関係の充実が及ぼす影響は、人生の満足度だけではありません。
別の研究では、職場での人間関係が仕事へのモチベーションや生産性もおおきく左右するというデータも出ています。
特に、お互いに切磋琢磨して成長していけるような親友がおなじ職場にいた場合は、仕事に対するモチベーションは700%もアップするそうです。
モチベーションがアップすることで、集中力などさまざまな能力も上昇し、最高のパフォーマンスを発揮することができます。
また、評価もあがり、給料自体もアップする可能性があります。
自分の仕事が楽になるから
仕事でうまく人間関係を構築していくと、仕事自体も楽に、ストレスを少なく進めることができます。
たとえばあなたも、自分のことをよく知らない人に自分の短所を指摘されても受け入れ難いかもしれませんが、信頼している恋人や友人に指摘された場合は、素直に省みることができるのではないでしょうか。
会社でも同じです。自分の発言をスムーズに受け入れてもらうためにも、会社の中で信頼を勝ち取ることは大切です。
また、信頼を得るためには、ある程度のうまく立ち回るコミュニケーションは必要不可欠になるでしょう。
仕事でのコミュニケーションの必要性
- 私たちは社会との関わりの中で生きているから
- 職場に信頼できる人がいると幸福度が上がるから
- 生産性が上がるから
- 自分の仕事が楽になるから
コミュニケーションが円滑に行われないとどうなるか
それでは逆に、コミュニケーションが円滑に行われないとどうなってしまうのでしょうか?
まず、生産性が下がります。
職場での人間関係がモチベーションを左右することを考えると、当然の結果でしょう。
また、それぞれ帰属意識がなくなり離職率も上がってしまいます。心理的な安全性が確保できていない状態なので、新しいことにチャレンジしなくなったり、発言が活発にできずに風通しの悪い職場になってしまうでしょう。
「状況がわかる人と愚痴を共有する」という強烈なストレス発散法もできないため溜め込みがちになるので、心身の健康にも悪影響がでる可能性があります。
すぐできる仕事でのコミュニケーションのコツ
仕事でのコミュニケーションが大切なことはわかりましたが、では実際にどうすれば円滑な人間関係を構築することができるのでしょうか。
ここでは、コミュニケーションのちょっとしたコツをご紹介します。
名前を呼ぶ
コミュニケーションのコツ1つ目は「名前を呼ぶ」です。
会話の際、積極的にその人の名前をあえて入れるようにしてみてください。
これは、ネームコーリング効果といって心理学的にも裏付けされており「人は名前で呼ばれると、呼んだ相手に対して好意を抱きやすい」というものです。
「自分に関心を持ってもらえている!」と相手の承認欲求を満たし好感度を上げることができます。
アメリカで行われたこんな実験があります。
男女の学生でペアを複数組み、そこからさらに2つのグループに分けて会話をしてもらいました。
A:相手の名前を呼ばないで会話したグループ
B:相手の名前を呼んで会話したグループ
会話のあと、相手に対する印象についてアンケートを取ったところ、
Bの相手の名前を呼んで会話したグループの方が、Aの相手の名前を呼ばないで会話したグループより相手を「もう一度会いたい」「フレンドリー」など好印象を持ったのです。
この実験からも、名前を呼ぶことによる効果の凄さがわかります。
会話の中で、相手の名前を積極的に呼ぶ
とりあえずあいさつを欠かさない
コミュニケーションのコツ2つ目は「あいさつを欠かさない」です。
当たり前ですが、あいさつは人間関係の基本です。
人間関係学で有名なデール・カーネギーの言葉に、下記のような言葉があります。
「人に好感を持たれたければ、誰に対してもあいさつをすることだ。あいさつほど簡単でたやすいコミュニケーション方法はない。」
また、まず自分から声をかけるようにしましょう。
「返報性の法則」というものがあります。誰かに何かをしてもらったら、自分もお返ししたくなる心理のことをいいます。
あいさつでもこれは有効で、たとえば、笑顔で挨拶をされたら、自分も自然と笑顔で挨拶を返していた、ということはないでしょうか?
そのあと、特に会話を続けようとはせずに大丈夫です。あいさつだけでも好感度は上がりますし、最初に自分から声をかけることによって、相手の方から雑談を初めてくれるケースも多いです。
ですので、まずは自分から声をかけるということを心がけましょう。
とりあえず自分からあいさつする
質問する、アドバイスを求める
コミュニケーションのコツ3つ目は「質問したり、アドバイスを求める」です。
周りの人に積極的にアドバイスを求めましょう。
忙しいのにこんなことまで聞くのは申し訳ない…と思う場合もあるかもしれませんが、人間関係の構築に役立つんです。
アドバイスシーキングといって、「アドバイスを求めてきた相手に好感をもつ」という心理学に裏づいています。
これにはさらに一貫性の法則という心理効果が働いています。自分が行動したとき、その行動と矛盾しないよう自分の思考や気持ちを生む、というものです。
アドバイスシーキングはこの心理効果を利用しています。
人を助けたとき、助けるということは私はこの人のことが大切だからこの行動を行ったんだな、と脳を勘違いさせるんです。
つまり、
「アドバイスに回答する」(行動)
↓
「私はこの人を助けるくらいこの人に好意を持っているんだ」(思考)
と脳が解釈する、というものです。
ただし、タイミングの見極めや聞き方は大事です。
一言「いま声をかけてもいいですか?」や、チャットで「お手隙の際でいいのですが」など、枕詞をつけるようにしましょう。
積極的に質問したりアドバイスを求める
否定しない
コミュニケーションのコツ4つ目は「否定しない」です。
会話の際、相手が自分とは異なる意見を発した際も、否定するのは我慢しましょう。
否定すると、こちらの意図がどうあれ「攻撃」と受け取られてしまう可能性があるからです。
「そうですよね」や「確かにそれも考えられますね」など、まずは一度肯定する一言を返してみてください。
ちなみに、ついでにさらに「頼もしいですね」など「それも楽しそうですね」など、自分の感情も伝えると尚好感度を上げることができます。
そのあとに自分の意見を伝えてみてください。そのあとは、肯定的な意見でも、その人と異なる意見でも大丈夫です。自分の本心を伝えましょう。
はじめにポジティブな言葉を与えることで、心を開かせ、意見を受け入れてもらいやすくなります。
また、上記とあわせて、かならず相手の話は黙って最後まで聞くということを徹底してください。
途中で口を挟みたくなるかもしれませんが、話をさえぎった時点で、相手からするとそれは立派な「否定」と捉えられてしまいます。
まずは肯定の一言を返す
相手の話はさえぎらない
まとめ
今回の記事では、仕事でのコミュニケーションの必要性と、簡単にできるコミュニケーションのコツをお伝えしました。
仕事での人間関係が充実していると、人生の満足度や仕事での生産性の向上など、メリットがあることを理解頂けたかと思います。
自分はコミュニケーション能力が低いから…と思っている人もいるかもしれませんが、コミュ力は鍛えられます。
また、そもそも仕事場に話したいと思える人がいないという人も多いと思います。
しかし、あなたが知っているのはその人のほんの一部分です。また逆に、相手が知っているのも、あなたのほんの一部分です。
より深くお互いを知れば、ひょんな共通点があったり、気が合う場合もあるかもしれません。
より相手を知ったあとのほうが、仕事での連携がスムーズで生産性が高くなったと実感しています。
まずはとりあえずその人を知ろうと思ってみてください。
もし本当に尊敬できる人や話したいと思える人がいない場合は、転職することも視野に入れてみていいでしょう。
ご紹介した通り、職場でも人間関係の充実は人生の満足度にも大きく影響を及ぼします。それに、人は環境で大きく変わります。
自分と同じ価値観の人たちや、こうなりたいと思える人たちが集まっていそうな職場に転職することも、自分の人生を豊かにするためには、アリなのではないでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございました♪
みなさんが充実した仕事時間を送れることを応援しています!